ヘッドホンアダプターの製作

 TU-879Sをヘッドホンにて楽しむ事ができるように、アダプターの製作をしました。回路図は
簡単で、直列に繋いだ10Ωと0.22μFを+と−の間に入れたあと、+側に330Ωを入れてゲイ
ンを落とします。−側はスルーです。抵抗は1Wと2Wの金属皮膜を使用、コンデンサはマイラー
コンデンサーです。簡単なフィルターが構成されています。



 この記事を書く前に完成させてしばらく愛用をしておりました。記事を書くにあたり、写真に収
めても恥ずかしくない状態にしようと、部品から見直すことにしました。早速、フタを空けて作業
を開始します。



 現状の内部はこんな配線になっています。



既に使用されている部品
タカチケース(型番忘れちゃいました) 625円 ヒロセテクニカル
バナナプラグ 171円x4 ヒロセテクニカル
3.5ステレオミニジャック 100円 ヒロセテクニカル
マイラーコンデンサー 40円x2 ヒロセテクニカル
5Pラグ板 40円x2 ヒロセテクニカル
酸化金属皮膜抵抗 330Ω/1W 21円x2 マルツパーツ館
酸化金属皮膜抵抗 10Ω/2W 31円x2 マルツパーツ館
スピーカーケーブル
自前
リード線
自前

新たに買った部品
バナナプラグ(金) 千石電商
3.5ステレオミニジャック(金) 千石電商
スピーカーケーブル4P 九州電気

 スピーカーケーブルは4Pのヨリ線で紙とフィルムのシールドが入ってるみたいです。
特に下調べも無く、店頭で見て決めました。



 今回交換する、スピーカーケーブル、ステレオミニジャックを取り外しました。



 使われているマイラーコンデンサーですが、音質的にオーディオ用途で使うのはあまりよくな
いとどこかで聴いたような気がして、すごく気になっていました。特に音に不満があったわけで
はないのですが、折角の機会なので交換してみるのも良いかもしれません。道具箱の中から
以前に高域補償を目的に使っていたPPフィルムコンデンサー0.1μF/250Vをパラレルにつな
いで使う事にしました。





 アースを筐体と共止めにしてしまっていたので、この際配線ルートも変更する事にしました。さ
らに部品を取り外しました。



 ステレオミニジャックを取り付けて配線をしました。外径が以前の物より少々大きいようで穴
に入らなかった為、強引にラジオペンチの背中で穴を広げました。ただ単に、ヤスリを駐車場
の道具箱まで取りに行くのが面倒だったんですが、意外に上手くいきました。スピーカーケーブ
ルも配線して、内部は完成です。



 バナナプラグをハンダ付けしてこんな具合になりました。これならHPに載せても恥ずかしくな
いですね。(笑)



 早速、試聴をしたいと思います。子供が布団の中で寝て待っていると思うと道具を片付ける
のも慌ててしまいます。
あれ?
 ラジカセみたいに薄っぺらい音になってしまいました。低域がローカットフィルターを入れたよ
うに小さくなってしまいました。何か間違えたのでしょうか?それとも、コンデンサーを変えた影
響でしょうか?とりあえず、子供の待つ布団に向かう事にしました。



 翌日、このページを作成しながら写真を見ていて驚きました。信号線を入れる場所が、間違
っているではないですか!コンデンサーの後に抵抗で見事にローカットフィルターが構成されて
います。この際なので、ローカットフィルターの時定数を計算してこれもお勉強にしてしまいまし
ょう。

T=C・R
 Tの値は普通μS(マイクロセカンド)を単位としますから、CにμF、Rにオームの単位を使っ
たときにμSになります。

0.22μFx330Ω=72.6μS

 時定数を周波数に変換すると、

f=1/2πT
1/(2x3.14x72.6μS)x1000=2.2kHz

 2.2kHzを折れ曲がり点としたローカットフィルターが構成されているんですね。ちなみに、信号
線とアース線の間に入っているCとRも同じ原理を使ったフィルターにより、分流後アース線に
信号が漏れるのを防いでるのではないかと思います。同じく計算すると・・・

0.22μFx10Ω=2.2μS
1/(2x3.14x2.2μS)x1000=72kHz

ですね。

 配線を修正して、試聴してみました。無事、低域も再生されるようになりました。コンデンサー
をマイラーからフィルムに交換した為、音が豊かになったように感じます。
あれから数年経ちますが、いまだ現役で活躍しております。






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