を新規作成しました。R2R DAC基板を差動構成で動作させたいたいと思います。 当初は、真空管バッファで受ける予定でした。真空管バッファ用の部品を集める過程で悪い 虫がでて、高価な部品に手が出てしまいました。このDACだけの為に大掛かりな真空管回路を 使用するのが惜しくなりました。電源用のチョークコイルだけで6千円です。OPA134によるアナ ログ回路部で出力インピーダンスも十分下がっているので、ココは、真空管バッファは外す事にし ました。当時の書きかけの回路図がありましたので参考までに。よくもこんな中途半端なものを 掲載したものだと自分でもあきれてしまいます。アンプ部は、べるけさんの回路になります。こ の回路図と部品たちは、後にプリアンプのストレートアンプ部に使用されることになります。 r2r.pdf クリックするとダウンロードできます。 DAC第2弾(PCM1794を使ったもの)の製作を予定しておりますので、できる限りリーズナブル に仕上げる事としました。実は、DAC第2弾の部品も揃ってから半年以上経ちます。足りないチ ップ等が出た場合に入手が困難なものが出るかもと考えるとちょっと焦ります。 R-2Rに戻ります。足りない部品の購入をしました。電源トランスは、ノイズ対策としてデジタル 回路部とアナログ回路部で分けることにしました。安価なトランスを使用しましたが、基本に忠 実に使用すれば十分実用になるようです。デジタル入力端子は、複数用意することにしまし た。光入力x2と同軸入力x1とする為、ロータリースイッチも必要になります。ケースは当初真 空管バッファを構成するために、アルミシャーシとしましたが、後で非常に苦しむ事になります。 仕上がりの美しさにも関係しますので、ココはケチる場所ではないようです。
部品の配置を製図します。本来であればCADを使いたいところですが、ソフトも持っていませ んしスキルもありません。いつもの通りにVisioで作図をしました。Visioは印刷時に実寸が補償 されませんので、使用には注意が必要です。私は、104%の拡大印刷をしています。 この大きさのケースでも以外に狭い事が分かりました。DAC基板は2階建てとして収める事に します。どうも、ラグや端子台で配線するイメージが抜けず、立体的に基板を配置する事に新 鮮味を覚えます。この図面は後でケース加工する際に使用しますので、基板類の実寸を計測 した上で、正確に作図をしていきます。 haichir2r.pdf クリックするとダウンロードできます。 R2rSIDE.pdf クリックするとダウンロードできます。 基板の製作を開始します。新規基板のCS8416を使用したDAI基板を作成します。この基板 は他の機種用に作られていますが、汎用性も考慮されておりNOS出力でR2Rのピン配列と ピンコンパチで取り出すことができる様になっています。本当に、h-hujiwaraさんには足を向け て寝られない気持ちです。デジタルフィルターも購入して持っておりましたが、今回は実装を見 送りました。L/R分離出力になってしまいますし、大幅なジャンパーが必要になりそうなので。 DAI基板には勿体無い部品が多い気もしますが、実用するつもりでいますのでえいやと物量 投入です。とは言っても高価な部品はOSコンぐらいですが。フィルムコンデンサーはココのとこ ろお気に入りのニッセイASPです。ダンピング抵抗は、1/4W抵抗をがんばって縦に配置しまし た。いつものKOAの金属皮膜抵抗です。 NOS出力ピンから信号を取り出すために複数個所ジャンパーを施します。ケーブルが太すぎ たのでちょっと苦労しました。後で必要なくなってしまいましたが、DAC基板へ5Vを供給する事 もできるようにしました。 デジタル回路用の電源も新規で製作します。オペアンプによる帰還をかけた高性能な安定化 電源です。コンデンサーは、商品の切り替わり時期にあり新旧2種入り混じってしまいました。 R2Rの基板に比べるとこの程度の基板は数十分で組みあがります。 3番目は、新規のアナログ電源用の基板です。以前と全く同じ基板ですが、出力電圧が異な る為、多少定数が変わっています。 耐圧が上がった為電解コンデンサーの高さがやや高くなっています。緑色のMUSE FXは手 持ちの部品を流用しました。50V耐圧のものなんです。真空管のアンプのパスコン用に買って いたものだったので。 基板の作成が終了しましたので、ケースの加工に入ります。先程、製図した配置図を実寸で プリントしてアルミ板に貼り付けます。穴位置を確認しながら慎重にドリルを使用します。ココま で凝っていたのにポンチを使わずに穴あけに突入してしまいました。数時間後に後悔すること になります。汗) ヒューズホルダーの楕円の穴とトスリンクの正方形の穴はヤスリで削りましたが、あまり良い 出来ではありません。皆さんはどの様に加工しているのか気になるところです。特に正方形の 加工ってどうするんですか???自慢の方法がありましたら是非ご伝授ください。 ケースに軽くヤスリをかけて塗装の下地を作ります。 塗装は自動車用のスプレー缶を使用しました。水性のアクリルスプレー缶よりも耐久性があ るのではと思ったので。折角、薄く重ね塗りをしてムラなく仕上げても裏蓋を閉めるころにはボ ロボロになっちゃうんですよね。3日間ぐらい乾燥させればよいんでしょうが。思ってたより黒っ ぽい仕上がりです。もうちょっとメタリックな感じにしたかったのですが。 大物をケースに取り付けた後に仮配線を済ませます。この状態で電源を一度入れてみます。 全く問題なく動作します。出力波形も問題なく、pp値で2V程度の出力が得られました。早速、パ ワーアンプに接続して音だしをしてみました。もう少し解像度が欲しい気もするけど、全く実用 に耐える音です。まさかココまでのものになると思っていなかったので自分でも驚きです。 ヒューズの容量は、TC9245N DAIを使った検証の際に、ざっと実測値を計っていたのでそれ を元に適当に決定しました。アナログ部はオペアンプの仕様からざっと出した値です。アナログ 回路部は消費電流が小さく大きな容量のヒューズでは切れない可能性があるので別途小さな 容量のヒューズを入れました。 DAI基板 200mA以下 DACデジタル部(1枚) 150mA程度 DACアナログ部(1枚)100mA程度 ヒューズ構成 AC一次側全体 1.5A アナログ回路用トランス一次側 0.5A 少し大きめの値を入れてしまっています。事故が起きないようにもう少し正確に計算した方が 良いと思います。火事になる前に・・・ 見難いかもしれませんが、電源部よりの低周波の影響を受けないように、L字アングルに銅 箔を貼り付けてシールド板を作ってあります。このシールドの効果は非常に高いらしく、漏れ磁 気の影響が装置の右側と左側でシールド板を境に全く異なります。ブラウン管のテレビやCRT に近づけると様子が伺えます。アルミの筐体は低周波のシールド効果が低いので、その部分 から漏れた磁気がテレビに影響し画面がチラつきます。シールド板を境にトランス側のみ現象 が発生するようです。 DAC一枚の状態では問題なく動作をしましたが、差動2枚構成にすると動作をしません。オシ ロスコープであたって行くと、どうやらCS8416から全くClockが出ていません。どうやら、電源投 入時の突入電流で十分な電圧を得る事ができないのか、CS8416のリセットが上手くいかない ようです。試行錯誤の末、DAC基板を時間差で起動させれば現構成でも動作する事が確認で きました。 ここで同じくお気楽キットでお譲りいただいたMute基板の出番です。元々は、後に作るDAC 第二弾のバッファ部に使用する予定だったものです。5Vリレーを使用して、3秒ほどの時間差 でDAC部への電源供給を開始するように変更しました。早速足りない部品を購入しに走りま す。
本来であれば、接点保護の回路を組みたいところでしたが、なにぶん急ぎ仕事になってしま いましたので、省略させていただきました。将来接点の接触不良が起きるかもしれません。適 当な定格のスパークキラーがあればあとから挿入できるように、ユニバーサル部の配線を少し 工夫しました。平滑コンデンサーは、低ESR品を使いました。ホボ全て安価な部品で構成して おります。 多少のケース加工が発生しましたが、リレーによる電源投入方法の変更で無事動作が確認 できました。あわてん坊の私は、リレーが作動するまでの3秒間動かない!と焦ったのは多くは 語りません。運がいいのかここまで全ての基板が一発で正常動作確認できました。きっとその うち痛い目にあうでしょうが、ラッキー。 2007年9月16日追記 その後、基板を頒布いただきましたh_hujiwara様より下記の通りのご助言をいただき ました。 『DAIのリセットがうまくかからない理由は、R-2Rのデータ入力部のプルアップ抵抗が原 因でしょう。これを外せば大丈夫ですよ(って既に遅し?)。CS8416はリセット直後にデ ータ線がプルアップ/ダウンされているかで動作モードを決めます。DAI側ではH/Wモー ドとするためプルダウンになっていますが、R-2Rにはプルアップ抵抗が入っているた め、同時に電源が入ると誤動作を起こしているのでしょう。電源の投入タイミングをずら されたのは正しい解決法だと思います。』 アナログ信号の出力部のシールド線はできる限り短くしたかったのですが、メンテナンスの事 を考えるとこれくらいの長さが必要になってしまいました。静電容量による特性にどのくらい影 響を与えるかは検証していませんが、50pFくらいの容量はあるはずです。特性に影響が出て いるはずですが、致し方ありません。 4チャンネル全てについてゼロクロス調整をしました。前回の調整では出力波形が小さく- 20dbの正弦波で調整をおこないましたが、今回は-40dbの波形を入力しました。やはり十分に 調整がしきれていなかったようです。h-hujiwara様のホームページでも紹介されているMSBに よる歪みについて計測してみました。がんばって、ハンダ面に抵抗を並べた苦労は報われる のでしょうか? -40db正弦波 -40db正弦波 オフセット -12db -40db正弦波 オフセット -6db 多少見られるでしょうか?オシロスコープの解像度が悪いんでまあこんなところでしょうか。 塗装が十分に乾く前に組み上げに入ってしまいましたので、非常に汚い仕上がりになってし まいました。今度、部品をマスキングしてサッと再塗装する必要がありそうです。また、構造上 メンテナンスが非常に困難になってしまいました。一度ケースを閉じると開けるのが躊躇われ ます。 完成をしましたので性能の測定をしてみましょう。先ずは周波数特性の測定です。特性の測 定については以前のページをご覧ください。 「周波数特性及び歪率の測定」 現在の環境では、20kHz以上の正弦波については、きちんと発生して受けることができるか 怪しい環境ですのであくまでも簡易の参考値です。アマチュアレベルの自己満足の為であれば 十分でしょう。20kで-5db以下です。 右Ch特性 歪率を測定をします。計測方法は以前にご紹介した「周波数特性及び歪率の測定」と同様で す。出力を直接「ローランドUA-1EX」に入力します。このUSBサウンドデバイスには入力のレベ ルを調整する機能がありますので、間にボリュームを入れる必要がありません。入力波形を- 11dbに調整して計測をしました。左chは非常に優秀な値を示していたのですが、右chの歪が 気になります。正弦波を入力して計測すると、2次3次〜高調波が大きく発生しています。
またケースを開けるのは躊躇われるところですが、決意をして再度分解し調査に乗り出しま した。オシロスコープによる波形観測をしながら歪計測を繰り返していたところ、どうもDAC基 板には依存せず右左のchを入れ替えると現象も移る事が分かりました。一時はDAI基板や接 続ケーブルも疑いましたがどうも原因が釈然としません。最終的に判明した原因はあきれるも のでした。 正弦波発生源に使うPCは普段音楽を聴くときの再生装置に使っています。7581ASingleアン プの製作記事の中でも触れたのですが、私のパワーアンプは左右のバランスが微妙にずれて おり、PC側で調整をかけていたんです。 Speaker L -5db Speaker R +2db 入力が大きすぎた為にクリップを起こしていたようです。丁度、真空管PPアンプで出力を上げ るとAB級動作に入り急激に歪が増えるようなものです。バランスを0dbに戻し測定したところ問 題は解決されました。
1kHz正弦波にて入力 我が家の機材に新メンバーが登場しました。最近では、音も落ち着き愛用させていただいて います。最後に、基板の頒布をしてくださったh-hujiwara様に感謝をいたします。ありがとうござ いました。 設置場所考えなくっちゃ。。。
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