Optiplex GX270の修理

某オークションサイトにて落札したPCの修理体験記です。当時は、自宅でメインに使っている
コンピュータが一昔前の装置で、その速度の遅さに毎晩イライラの連続でした。そこで、無いお
小遣いを元手にPCの新規調達をする事にしました。
とは言え、寒い懐事情のため値段と希望が折り合いません。そんな時に発見したのが、この
CPUもHDDもMemoryも取り外された筐体のみDell製のPCです。手持ちの部品で十分に満足な
コンピュータを組めそうだったので購入を決意しました。

その時に気付いておけばよかったのですが、そんな都合の良い売り方をするのですから何か
不都合があっても仕方が無いですよね。(笑)
実際に、日本語がおぼつかない出品者から届いた品物は、不良部品を寄せ集めた商品でし
た。しかも、2台も購入してしまったのですからお粗末な限りです。

それでも、元来けちな性格の私はそのコンピュータの再生に、貴重な時間を割く羽目になりま
す。

1台目不具合現象
1.差しあたって特に不具合は感じられない。

障害発見と修復。
マザーボードの観察をしてみました。


パッと見では特に何事も無いように見えるのですが、メモリスロット付近の3つのコンデンサー
の頭がプックリと膨れています。nichiconのHNシリーズ1500μF/6.3Vが装着されていました。そ
れよりも新しい装置(後述2台目)ではココにRubiconが使われているので、ロットで不具合があ
ったのかもしれません。


実用上不具合は無いのですが、このまま放置すれば、他の部品に被害が及ぶ事は明白で
す。早速交換をする事にしました。

余談ですが、2001年〜03年頃の電解コンデンサーの一部に、電解液の不良による障害があっ
たようです。高価な日本製の低ESRコンデンサーの廉価版として売られた、台湾製のコンデン
サーがそれにあたります。
http://techon.nikkeibp.co.jp/members/01db/200211/1008690/

日本のメーカのものは信頼性が上かと思っていたのですが、OEM生産の影響で日本製でも同
じような事が起きてしまいました。2003年頃に製造されたnichicon製キャパシタの不良事件が
代表的なものです。有名な1例として、今回私が2台も購入したこの装置もあたるようです。
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20091696,00.htm

悲しんでばかりもいられないので、早速交換作業の開始です。3個とは言え、初めての経験に
四苦八苦の連続でした。オーディオアンプの作成などで半田ごての使用には、ある程度の自
信を持っていたつもりなのですが、相手がコンピュータの多層基板になると一筋縄ではいきま
せん。

必要なもの
出力の大きな半田ごて(40W位)
交換用の新しいコンデンサ(今回はグレードを1つ上げてHZを使いました。)
nichicon HZ低ESR電解コンデンサ 1500μF/6.3V 10φ 170円 三栄電波


コンデンサの足を熱して、取り外しにかかります。コレばかりは、何度も挑戦をして慣れるしか
ありません。

・熱量の足りないと感じたら無理をせず対策を考える。
・無理に力を加えない。
・コテ先を直接基板に押し付ける事は避ける。
・ハンダの跳ねにより、他の部分のショートに注意。
・熱が上手く伝わらない時は、半田を足してやる。(他の部品とショートに注意)

基板の種類により、どうしても簡単な基板、難しい基板が存在します。層の数が多い高級な装
置の基板や、数層下にアースのベタパターンが、埋まっているものは非常に苦労します。事
実、無理をして5枚はマザーボードを壊しました。まあ、元から壊れているのですが。

次に、新しい部品を取り付けるのですが、スルーホールが埋まってしまっています。人により方
法は様々ですが、私はステンレス針を使います。裏からコテで穴を加熱しながら、表から針を
刺します。上質なステンレスは半田をはじきますので、固まってから針を抜くと、リードを通す穴
が空きます。


(お見せできるような写真ではないですが・・・)

無事に穴が貫通したら、部品をハンダ付けして完成です。


最後にくどいようですが、くれぐれも自己責任において作業は実施をお願いします。場合によっ
ては、火災・感電等の事故につながる可能性もあります。また、運よくこのコンピュータは現在
も稼動しておりますが、完全に壊れてしまい修復不能となったマザーボードを倍の数だけ所有
しております。とにかくひたすらに慣れを必要とします。実際、始めて成功したこの写真を見て、
あまりの酷さに掲載を悩んだくらいです。自分の成長の過程も見れるかなと思い、あえて醜態
を披露いたします。

おわり

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